永野均(亀梨和也)、28歳。ありふれた郊外の街に住み、代わり映えのしない平凡な毎日を過ごしている。団地の一室にある実家に帰れば母親(キムラ緑子)から小言をいわれ、職場の家電量販店では上司のタジマ(加瀬亮)から嫌味をいわれる。均は家族とも職場の人間ともうまく関係を築けない日々を送るうち、人と関わることに面倒くささを感じていた。
ある日、均はハンバーガーショップで隣の席に座った男の携帯電話をなんとなく持ち帰ってしまい、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまう。
その日から、均の周辺でおかしな出来事が起き始めた。
均が帰宅するとアパートには見知らぬおばさん(高橋惠子)がいて、均のことを自分の息子の大樹だという。さらに、実家を訪ねると均と同じ顔をした“別の俺”が現れたのだ!
スーツ姿のサラリーマンで冷静沈着な大樹(亀梨和也)、茶髪の大学生でお調子者のナオ(亀梨和也)、3人は顔だけではなく、まったく同じ好みと考え方を持っていた。言葉も尽くさず、気を使わずとも通じ合える“俺”だらけの世界って、なんてハッピーなんだ!
3人はなんでも分かり合える関係性に心地よさを感じ“俺”が集まる部屋を、サル山ならぬ“俺山”と名付けた。
わかり合えない他人といるのは面倒くさい。均のそんな気持ちから始まった“俺”の増殖。“俺山”そこは“俺”だらけのパラダイスだった―。
“俺”が増殖したこと以外にも、カメラを買いに来て知り合った客のサヤカ(内田有紀)から、ある一軒家の写真を撮ってきて欲しいと奇妙な依頼をされたり、おかしな出来事は続いていた。
そして、日に日に“俺”は増殖していく。ロン毛の俺(亀梨和也)、巨乳の俺(亀梨和也)、全身タトゥーの俺(亀梨和也)、警官の俺(亀梨和也)……。
大樹、ナオとは意気投合し、俺同士はみんな分かり合えると思っていた均だったが、いろいろな“俺”に会ううちなかには“許せる俺と許せない俺”がいることに気付く。
そしてある日を境に、幸せな関係の歯車が狂い始める。均の前で別の“俺”が殺されさらにナオの行動がきっかけで俺同士の削除が始まったのだ!
やがて、均自身もほかの“俺”に追われるようになっていく―。